II.リフォームと税の優遇制度3 耐震改修

耐震改修工事を行った場合の所得税の優遇制度には次の3つがあります。  1.要耐震改修住宅を取得して、耐震改修工事を行った場合に受けられる住宅ローン控除  2.既存の住宅に耐震改修工事を行った場合に受けられる税額控除。  3.住宅ローンを利用してマイホームに耐震リフォームを行った場合の住宅ローン控除。 【1.要耐震改修住宅を取得し、耐震改修を行った場合】  住宅ローン控除の対象となる中古住宅は、耐震基準又は経過年数基準を満たすものに限られていまし たが、平成26年4月1日以後、これらの基準に該当しない中古住宅でも、事前に耐震改修工事を行う旨の 申請をした上で、居住の日までに耐震基準を満たすこととなったものについては、住宅ローン控除の対 象となりました。  これによって築年数が古い住宅でも住宅ローン控除がうけられることとなりましたが、事前申請が必 要になるなど、手続き的にはかなり面倒なので、予め売主さん側で耐震改修工事を行った物件を取得し た方がいいかもしれません。  面積要件や借入要件など種々の適用要件を満たした場合には住宅ローンの年末残高の1%(上限40 万円)を所得税から控除することができます。 【2.耐震改修工事をした場合(住宅耐震改修特別控除)】  平成31年6月30日までに、自己の家屋(昭和56年5月31日以前に建築されたものに限ります。)に耐震 改修工事をした場合には、一定の金額をその年分の所得税額から控除できます。  控除額の計算は以下のとおりです。  耐震工事の標準的な費用の額(補助金等の交付を受ける場合には、その額を控除した金額)  の10%(最高25万円)  こちらの制度は新しく購入した家屋だけでなく既に居住している家屋についても優遇を受けることが できます。  また、住宅ローンがなくても受けられる制度です。  通常の住宅ローン控除の適用を受けられる家屋については、この特別控除と併用で受けることもでき ます。ただし、1の要耐震改修住宅を取得し、耐震改修を行った場合の住宅ローン控除との併用はでき ません。 【3.住宅ローンを利用して耐震リフォームをした場合】  10年以上の住宅ローンを利用して、100万円以上の耐震リフォーム工事等をした場合には年末残 高の1%(上限40万円)を工事を行った年から10年間、所得税から控除することができます。

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー