II.相続対策(その8)小規模宅地の特例を活用しよう

相続が発生した場合に、自宅や事業用の敷地など生活や事業に必要不可欠な財産に、原則通り相続税を 課すと居住や事業を継続できなくなってしまう場合があります。 そのような事態を回避するために「小規模宅地の特例」という相続税における宅地評価額を減額する制 度があります。 今回は自宅の宅地に適用できる制度をご紹介します。 【対象となる宅地】 被相続人が居住していた宅地等で、被相続人の親族が取得したものが対象になります。 なお、その宅地等が2以上ある場合には、主としてその居住の用に供していた一の宅地等に限ります。 また、平成26年1月1日以後に相続開始があった場合には、次の場合にも特例の適用ができるようにな りました。 1.被相続人と親族が居住する二世帯住宅の敷地について、その二世帯住宅が構造上区分された住居であ っても、区分所有建物登記がされている建物を除き、一定の要件を満たす場合(その敷地全体について 特例の適用) 2.老人ホームなどに入居していた場合に、一定の要件を満たす場合 3.障害支援区分の認定を受けていた被相続人が障害者支援施設などに入所していた場合【取得者の要件】 当該特例を受けるための取得者の要件は次の通りです、 1.配偶者  要件なし 2.同居親族 申告期限まで所有・居住を継続していること 3.非同居親族  @日本に住所または国籍があること  A被相続人の配偶者がいないこと  B被相続人と同居していた相続人がいないこと  C本人または配偶者の所有する家屋に居住したことがないこと  Dその宅地を申告期限まで有していること 【減額される割合】 限度面積 平成27年1月1日以降に発生した相続については330平米まで 減額割合 80%減額されます。 つまり被相続人の自宅用の宅地を要件を満たす親族が相続した場合には、330平米までは20%の評 価額で相続税を計算できるのです。

(税理士・CFP 廣崎 英子) HP:横浜の税理士 廣崎英子税理士事務所 ブログ:税理士 ときどき ランナー